2024年12月06日

本当はルールなんていらない

「本当はルールなんていらない」、と最近思います。

食品工場にはルールがいっぱいあります。

何か問題が起きると新たなルールを作ります。

何をするにもルールだらけです。


私は今まで会社で問題が起きるたびに、「同じことが起きないために、今後こういうルールにしよう」と、ルールばかり作ってきました。

しかし、ルールを作っても、そのルールをかいくぐるようにまた新たな問題が起きます。

だからまたルールが増えます。

そうやってルールばかり作ってきましたが、最近その弊害を感じます。

何のためにそのルールがあるのか、そのルールの意味や価値を社員が理解していないと、結局ルールが形骸化してしまう。

ルールを守っているつもりで、結局そのルールが果たしたい本来の目的を果たせていない。

そんなことが続いたからです。


食品工場として「安心安全な商品」を製造することは、何を差し置いても一番大事なことです。

社員全員が「安心安全な商品を製造すると強い使命感を持って仕事をすれば、本当はルールなんかなくても、安心安全な商品づくりのためにみんな自主的に動くんだろうな、と思ったりします。

「手洗いマニュアル」がなくても、自主的に隅々まで丁寧に手を洗うと思います。

「ローラーがけのルール」がなくても、自主的に髪の毛一本残さないように丁寧にローラーがけをすると思います。

他にも、安心安全な商品づくりのために「こうした方がいい」と思えば、会社が決めたルールなんかなくても、社員全員が自主的に考え動くんだと思います。


しかし実際は、「うちは社員の自主性にすべて任せているのでルールなんてありません」は、会社としても危ういですし、取引先からも絶対に受け入れられません。

「ちゃんと手洗い」「ちゃんとローラーがけ」の「ちゃんと」は人によって基準が違います。

ちゃんと手洗いを10秒洗えば「ちゃんと洗った」と思う人もいれば、10分洗わないと「ちゃんと洗った」と思えない人も中にはいるかもしれません。

「ちゃんと」を標準化するためにルールがあります。


そのように工場には「ちゃんと」を標準化するためのルールがたくさんありますが、ルールさえ作れば問題が起きないわけではありません。

そのルールを守るのは「人」です。

守らなければ何の意味もありません。


今までは、会社で何か問題が起きれば、「次からはこうしなさい」と上が作ったルールを現場に押し付けることも多くありましたが、それでは社員がルールの意味価値を理解せず、絶対にルールが形骸化してしまうので、最近はそのやり方はやめました。

何か問題が起きた時には、その問題について担当社員と話し合う時間を作ることにしました。

そして、私から「こうしなさい」と言うことは決してせず、私はファシリテーターの役に徹して「どうしたらいいと思う」と社員から聞き出すようにしました。

いろいろな意見が出ます。

私が口には出さなくても「こうしたらいいのに」と思っていた意見を社員が言うこともあれば、私が思いつきもしなかったアイデアが出ることもあります。

そんな社員の意見を集約して、今までのやり方をカイゼンしたり新たなルールを作るようにしています。

上から押し付けられたルールだと「やらされ感」しかないと思いますが、自分たちで「こうします」と決めたルールには「守る責任」が生まれ、ルールが形骸化しなくなったと感じています。


「安心安全な商品を製造するという強い使命感の上にあるルールはとても強いと思います

「本当はルールなんていらない」んだろうけど、作る時にはそんな“生きたルール”を作っていきたいです。



panda50ban at 18:32
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