2024年06月04日
何のためのマニュアル?
先日、会社に来られたお客様からこんな話を伺いました。
自社に置き換えてみてすごく考えさせられたので、こちらにも書かせていただきます。
そのお客様(S様)はある日、某ハンバーガーショップに食事に行ったそうです。
そこでハンバーガーの他にチキンナゲットを注文したそうです。
出来上がったチキンナゲットを食べると、ナゲットの中心の肉の少し色が違っていて生っぽかったんだそうです。
お店の方にそのことを伝えると店長が出て来られ、「規定の時間通り揚げたので問題ないです」と返答されたそうです。
実際のナゲットを見せながら話しても、「規定の時間通り揚げたので大丈夫です
」の一点張り。
「でも、これを食べるのは抵抗ある」と伝えると、ナゲットを揚げ直してくれたそうです。
しかし、新しく揚げ直してもらったナゲットも、食べてみるとまた同じように肉の中心の色が違っていて、生っぽかったそうです。
店長にそのことを伝えても、再び「規定の時間通りに揚げたので問題ないです
」との返答。
実際のナゲットを見せながら、「でも実際こんな風に中心の色が違うんだから、もう少し揚げる時間を長くするとかできないの
」と言っても、「時間が決められているのでそれはできません」との返答。
S様は「これ以上議論しても埒があかない」と諦められ、結局ナゲットは食べずに(もちろんお金は払って)、お店を出たんだそうです。
そのSさん、そのハンバーガーショップでチキンナゲットを食べるのが初めてではなく、小さい頃から何度も食べているんだそうで、今まであんな生っぽいチキンナゲットが出てきたことは一度もない、と愚痴をこぼしておられました。
これはすごく考えさせられました。
わが社では現在「業務の標準化」を進めています。
業務の標準化の意味を社員にはこのように説明しています。
業務の標準化とは、誰もがいつでも同じように作業できるように業務手順を最適な内容にすることです。
標準化を行うと、仕事の進め方や判断基準が会社のルールとして統一され、作業者ごとの手順にバラつきがなくなります。
業務の標準化は属人化の解消に直結し、結果として企業の生産性や業務効率の飛躍的なアップにつながります。
現在「二刀流」を会社の大きな方針として掲げていて、「この人しかできない仕事」をなくそうと、それぞれに自分の技術を教えたり、逆に人の技術を学んだりしています。
そのためには「業務の標準化」が必要で、誰がいつでも同じように作業できるように、業務手順の見える化を進めています。
某ハンバーガーショップも、誰でも同じように作業ができるように、例えばチキンナゲットは「何℃の油で何分揚げる」など、商品ごとに調理方法の詳細なマニュアルがあるんだと思います。
でも、実際にお客様から「ナゲットが生っぽい」とクレームがあった時に、中心の色が違うナゲットを目の前にしても「規定通りの時間揚げたので問題ないです
」と平然と答えてしまう・・・一体何のためのマニュアルなのかと考えさせられました。
最大の目的は「お客様に美味しいチキンナゲットを食べてもらう」ことであるはずです。
そのための手段として、誰が揚げても美味しいチキンナゲットになるようにマニュアルを作成し、揚げる温度や時間を決めているんだと思います。
それなのに、手段が目的化しているというか・・・。
目の前の生っぽいナゲットよりも、既定の時間通りに揚げた自分たちの方が正しいと主張してしまう・・・。
しかも実際にお客様に対しても、「マニュアル通りに揚げたから自分たちは間違っていない。これを『食べられない』と言うお客様の方が間違っている」という対応をしてしまう・・・。
私たちも業務の標準化を進めるにあたり、こんな風になってはいけないと考えさせられました。
わが社でも、商品ごとのレシピはありますが、どうしてもレシピに書ききれないこともあります。
例えば、餃子に使うキャベツひとつにしても、脱水時間の目安は決めていますが、季節や天候によってもキャベツの水分量は変わるので、規定の脱水時間で脱水しても水っぽいこともあり、最終的にはその日のキャベツの状態により微調整しなければいけません。
「マニュアル通りにすることが正解なのではなく、最終的に出来上がった商品をベストな状態に持っていくこと」
これが正解です。
そのために必要なのが、マニュアルだけではカバーできない“技術力”です。
手段が目的化しないように、ここをきちんと押さえながら、業務の標準化を進めていきたいと思います。
自社に置き換えてみてすごく考えさせられたので、こちらにも書かせていただきます。
そのお客様(S様)はある日、某ハンバーガーショップに食事に行ったそうです。
そこでハンバーガーの他にチキンナゲットを注文したそうです。
出来上がったチキンナゲットを食べると、ナゲットの中心の肉の少し色が違っていて生っぽかったんだそうです。
お店の方にそのことを伝えると店長が出て来られ、「規定の時間通り揚げたので問題ないです」と返答されたそうです。
実際のナゲットを見せながら話しても、「規定の時間通り揚げたので大丈夫です

「でも、これを食べるのは抵抗ある」と伝えると、ナゲットを揚げ直してくれたそうです。
しかし、新しく揚げ直してもらったナゲットも、食べてみるとまた同じように肉の中心の色が違っていて、生っぽかったそうです。
店長にそのことを伝えても、再び「規定の時間通りに揚げたので問題ないです

実際のナゲットを見せながら、「でも実際こんな風に中心の色が違うんだから、もう少し揚げる時間を長くするとかできないの

S様は「これ以上議論しても埒があかない」と諦められ、結局ナゲットは食べずに(もちろんお金は払って)、お店を出たんだそうです。
そのSさん、そのハンバーガーショップでチキンナゲットを食べるのが初めてではなく、小さい頃から何度も食べているんだそうで、今まであんな生っぽいチキンナゲットが出てきたことは一度もない、と愚痴をこぼしておられました。
これはすごく考えさせられました。
わが社では現在「業務の標準化」を進めています。
業務の標準化の意味を社員にはこのように説明しています。
業務の標準化とは、誰もがいつでも同じように作業できるように業務手順を最適な内容にすることです。
標準化を行うと、仕事の進め方や判断基準が会社のルールとして統一され、作業者ごとの手順にバラつきがなくなります。
業務の標準化は属人化の解消に直結し、結果として企業の生産性や業務効率の飛躍的なアップにつながります。
現在「二刀流」を会社の大きな方針として掲げていて、「この人しかできない仕事」をなくそうと、それぞれに自分の技術を教えたり、逆に人の技術を学んだりしています。
そのためには「業務の標準化」が必要で、誰がいつでも同じように作業できるように、業務手順の見える化を進めています。
某ハンバーガーショップも、誰でも同じように作業ができるように、例えばチキンナゲットは「何℃の油で何分揚げる」など、商品ごとに調理方法の詳細なマニュアルがあるんだと思います。
でも、実際にお客様から「ナゲットが生っぽい」とクレームがあった時に、中心の色が違うナゲットを目の前にしても「規定通りの時間揚げたので問題ないです

最大の目的は「お客様に美味しいチキンナゲットを食べてもらう」ことであるはずです。
そのための手段として、誰が揚げても美味しいチキンナゲットになるようにマニュアルを作成し、揚げる温度や時間を決めているんだと思います。
それなのに、手段が目的化しているというか・・・。
目の前の生っぽいナゲットよりも、既定の時間通りに揚げた自分たちの方が正しいと主張してしまう・・・。
しかも実際にお客様に対しても、「マニュアル通りに揚げたから自分たちは間違っていない。これを『食べられない』と言うお客様の方が間違っている」という対応をしてしまう・・・。
私たちも業務の標準化を進めるにあたり、こんな風になってはいけないと考えさせられました。
わが社でも、商品ごとのレシピはありますが、どうしてもレシピに書ききれないこともあります。
例えば、餃子に使うキャベツひとつにしても、脱水時間の目安は決めていますが、季節や天候によってもキャベツの水分量は変わるので、規定の脱水時間で脱水しても水っぽいこともあり、最終的にはその日のキャベツの状態により微調整しなければいけません。
「マニュアル通りにすることが正解なのではなく、最終的に出来上がった商品をベストな状態に持っていくこと」
これが正解です。
そのために必要なのが、マニュアルだけではカバーできない“技術力”です。
手段が目的化しないように、ここをきちんと押さえながら、業務の標準化を進めていきたいと思います。