2017年05月18日

五十番食品の歴史 11 〜常務の覚悟!〜

五十番食品の歴史シリーズ

連載で五十番食品の歴史をご紹介しています

(過去の記事はこちら ↓ )
五十番食品の歴史 1 〜創業時代〜

五十番食品の歴史 2 〜新事業へのチャレンジ〜

五十番食品の歴史 3 〜大きな決断〜

五十番食品の歴史 4 〜いよいよ点心開発へ〜

五十番食品の歴史 5 〜中華点心で販路拡大〜

五十番食品の歴史 6 〜意外な商品の開発〜

五十番食品の歴史 7 〜最初で最後の仲人〜

五十番食品の歴史 8 〜設立10周年記念パーティー

五十番食品の歴史 9 〜毎週水曜日の食事会〜

五十番食品の歴史 10 〜水の問題〜


前回の「五十番食品の歴史 10」では、工場で必要な大量の水のことで父が頭を悩ませていたことを書かせていただきました。

今日はそんな時代に起こった、若かりし頃の常務のエピソードです


常務が入社して10年後、35〜6歳頃の話です。

当時は会社の“過渡期”で(「今は過渡期やろうが」というのが父の口癖だったそうです)、従業員さんの給料はものすごく安かったそうです。

ご多分に漏れず常務の給料も雀の涙ほど、給料をもらっても飲み代を払ったらもうすっからかんになっていたそうです。

しかしものすごく恐い父、「給料が安すぎる」なんて父に向って直接言える社員は誰もいません。。。

常務が商売をしていた自分のお兄さんに相談したところ、給料の金額を聞いて「それは安すぎる」とびっくりされ、「それやったら俺の会社に来い」と誘われたそうです。


ある日の日曜日、常務は会社を辞める覚悟で父のもとに行きました。

工場で一人で油条を揚げている父に向って、「今の給料ではとてもじゃないけどやっていけない。辞めさせていただきます」と伝えたそうです。

父の「辞めてどうするとや」との問いに「兄貴から『俺のところに来い』と言われています」と答えると、「それなら辞めてしまえ〜」と怒鳴られると思いきや・・・「相談する人がいるから、ちょっと待っときない」との返事。

父は当時、経営者の仲間たちと“倫理”を学ぶ会に入っていたそうで、その仲間の社長のところに相談に行ったそうです。

相談に行った先の社長から「その社員は何歳?」と聞かれ「30代半ばです」と答え、また

Q.「勤務歴は?」  A.「10年くらい勤めています」

Q.「仕事ぶりは?」  A.「バリバリ頑張ってくれています」

そんな会話のあとに常務の給与の金額を伝えると、「それは安すぎるそれは辞めると言われても仕方ない」と言われてしまったそうです。


相談から戻った父は、常務にその社長との会話の内容を伝え、「あなただけ上げる訳にはいかん」と、なんと社員全員の給料が上がったそうです

他の社員は大喜び

常務の辞める覚悟での直談判のおかげで、みんなの給料が上がることになりました


このエピソードは今でも語り草。

常務や工場長とお酒を飲んで父との思い出話になると、工場長も「あの時は常務のおかげで給料が上がった」と嬉しそうに懐かしそうに話しています


もしこの時に給料が上がっていなかったら、きっと常務は今五十番食品にいません。

本当にさまざまな奇跡が重なって、今の五十番食品があるのだなと思わせていただきます

〜続く〜


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