2014年07月10日

台風対策 失敗!?

「大型台風がやってくる」ということで、ここ数日会社ではいろいろな対策に追われました。

万が一台風が福岡を直撃して工場を稼働できない場合を想定して、商品の製造計画を変更したり、お客様へ配送日の変更をお願いしたり、延着の可能性を連絡したり・・・。

今回は「命を守る行動を」とまで言われる非常に大きな台風だったので、昨日は私も台風情報を随時チェックしながら仕事をしていました。

するとお昼休みに常務が社長室にやってきて、「社長、台風が近づいていますけど、明日の工場の稼働はどうしますか?」と聞きにきました。

私が「台風情報を随時チェックしていますけど、熊本の方に曲がるみたいだから福岡への直撃はないみたいですよ」と答えると、「でも、今回は勢力が大きいですからね、直撃しなくても雨風はかなりひどいと思いますよ台風の中、パートさんたちに無理やり『出てこい』とも言えないしですね。。。どうしますか」と言います。

「今『明日会社を休みにする』と決断して、明日雨風が大したことがなかったら、お客様からも『なんで五十番さんはこれくらいで休むの?』と言われてしまうし・・・もう少し台風の進路を見ながら夕方最終決定するわけにはいかないですかねぇ」と言うと、「社長、夕方では遅すぎますよ決断は早い方がいいですよもう今決めた方がいいですよ社長、どうしますか」と、最終決断をえらい急かします

少し考えてから、「それじゃ、パートさんは全員休みにしましょう。明日一日工場を稼働しなくても、特別大きな問題はないでしょうから。。。社員は基本的に全員出社で、明日の朝雨風がひどすぎてどうしても家を出られないような状況だったら、その時に決断して連絡網でまわしましょう」ということになりました。

常務はその返事を聞くや否や、「ハイ分かりました」とすぐに社長室を出ていき、お昼ご飯を食べ終わったパートさんたちに「明日パートさんたちは会社休みになったけん」と早速言ってまわっていました。


お昼過ぎからも私は台風情報を随時チェックしていましたが、福岡の直撃はないどころか、どんどん離れていくような感じです。

少々決断を早まりすぎたかな・・・とも思いつつ、「でも、あれだけの台風。福岡も全く影響がないことはないだろうから、万が一のことを思ったら決断は早い方が良かったんだ」と自分で自分を納得させていました。


そして今日の朝、目が覚めて窓を開けて外を見ると、雨も降っていなければ風も吹いていません。

「これだったら社員も出社できるな」と判断し、自分も会社に向かいました。

出社すると、常務が一生懸命事務所の床を磨いて掃除しています。

「常務、昨日はものすごく決断を急かされたけど、台風は全く大丈夫でしたね。私が出社する時青空が出ていましたよ」とわざと声を掛けると、常務が苦笑いしながら「ちょっと・・・昨日は社長を急かしすぎました。。。反省しています・・・」と、下を向いたまま床磨きを続けています

私が「パートさんたちはとりあえず自宅待機にしといて、今日の朝の7時の時点で決断して連絡網でまわす、とかにしても良かったですね。たらればの話ですケド・・・」と言うと、更に決まりが悪そうに「反省しています・・・」と床磨きを続けていました

そして他の社員さんに「俺が社長に決断を急かせたけん・・・もう少し雨や風が強くなってもらわんと困るったい」とぼやいていました


午前中会議をしていると、風の“ビュ〜”という音が聞こえてきました。

すると常務が「ほらやっぱり風がひどくなってきたよ台風が来るのは今からたい」と、何故か嬉しそうに言っています。

しかし、風の“ビュ〜”の音はその一回だけで終わり、また静かな世界に戻りました

お昼休み前、私が「前残していた肉まんがありましたよねあれをお昼に食べようかな〜」と常務に言うと、常務が「それよりも、俺が朝コンビニでミートソースのパスタ買ってきたけん、それを食べりぃ」と言います。

「常務、私のために買ってきてくれたんですか〜」と言うと、「朝、台風が全然来てなかったけんね・・・。俺が社長に決断を急がせてしまったけん、お詫びで買ってきた」と言います。

そしてお昼休みが終わると、今度は工場の外階段を一生懸命磨いていました


最終決断は社長の私がしたことなので、もちろん常務を責める気持ちは全くありませんが、常務は常務なりに反省して、なんとかお詫びをしようと頑張っていたのがなんか可愛かったです

工場も、稼働を完全に止めることは滅多にないので、社員の皆さんも機械のメンテをしたり、普段できないところを掃除したりして、それなりに良かったみたいです。


決断は遅すぎてもいけないし、早すぎてもいけないし・・・特に今回のような自然災害の場合の判断は難しいなぁと感じたこの2日間でした。


最後に、福岡は有難いことに被害はあまりありませんでしたが、地域によってはこの度の台風で多大な被害に遭われた方がたくさんおられると思います。
衷心よりお見舞い申し上げます。m(__)m



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